Bybit (バイビット) のクロスマージン・分離マージン機能を分かりやすく解説!

この記事のポイント
  • マージンとは証拠金のこと
  • Bybitにはクロスマージンと分離マージンの2種類のマージンがある
  • クロスマージンでは口座資金全額が証拠金になり、分離マージンでは証拠金を自分で設定できる

仮想通貨FXに特化した海外仮想通貨取引所であるBybit。

Bybitでは損失が出ても負債を追うことがないゼロカットシステムが採用されていますが、そのシステムはマージンという機能によって支えられています。

本記事ではBybitのマージンの種類から設定方法までを徹底解説しました。マージンについて詳しく理解したい方はぜひ参考にしてください。

実際にBybitを使用したユーザーからの評判や口コミについては、下記の記事で紹介しています。

Bybit (バイビット) の評判・口コミから分かったメリット・デメリットを一挙紹介!

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そもそもBybit (バイビット) のマージンとは

マージンとは、証拠金のことを意味します。

FXにおいて証拠金は必須であるように、Bybitも仮想通貨のFXを展開しているため証拠金が必要になるのです。

Bybitでは破産価格という独自の指標に基づいてロスカットが執行されます。

証拠金の多さは破産価格の高さと比例しています。つまり証拠金の寡多でロスカットのしやすさが変わってくるのです

Bybitではロスカットを防ぐためにクロスマージン分離マージンの2種類のマージンを提供しています。

Bybit (バイビット) のクロスマージン

クロスマージンの概要

クロスマージンとは口座に入っている資金の全てを証拠金として取引する方法です

クロスマージンでは、証拠金がずっと上限いっぱいの状態になるため、分離マージンよりロスカットが執行されるリスクが低くなります。

しかしクロスマージンは諸刃の剣といえます。なぜならもしロスカットが執行された場合は口座に入っている資金が全額なくなってしまうためです

ただしロスカットまでの猶予があるので初心者向きの設定といえるでしょう。

クロスマージンの必要証拠金と維持証拠金の計算方法

Bybitには必要証拠金、維持証拠金の2つの証拠金が存在します。

  • 必要証拠金: レバレッジをかける際の担保となる資金
  • 維持証拠金: ポジションを保有し続けるための資金

クロスマージンでは口座に入っている資金を全てを証拠金にするため、レバレッジを調節できません。

そのため必要証拠金はMAXのレバレッジで計算します

例えばBybitでBTCペアを取引する際の最大レバレッジは100倍です。そのためレバレッジは100倍想定して注文できる最大の契約数を算出します。

また維持証拠金の計算方法は次のようになっています。

維持証拠金=ポジション価格×維持証拠金率

クロスマージンの実行レバレッジの計算方法

実効レバレッジが高いほどロスカット価格が購入価格と近くなるためロスカットにあるリスクが高くなります。

クロスマージンでは残高を全て証拠金に回すため、実効レバレッジは最大損失額をもとに算出します。

実効レバレッジ=ポジション価格/(利用可能証拠金+ポジション証拠金)

クロスマージンのROI計算方法

クロスマージンの未実現損益率は、原則ポジションの投資利益率(ROI: Return On Investment)を表しています。

未実現損益率はポジション証拠金を基準に算出します。

  • 未実現損益率=(未実現損益/ポジション証拠金)×100
  • 未実現損益=契約数×(1/購入価格-1/決済価格)
  • ポジション証拠金=必要証拠金+決済手数料
  • 必要証拠金=ポジション価格/レバレッジ

例えば、5,000USD/BTCのときに数量10,000を契約し、価格が6,500USD/BTCになった場合は、

未実現損益=10,000×(1/5,000-1/6,500)=0.46153846BTC
必要証拠金=(10,000/5,000)/100=0.02BTC

といった風に算出します。

クロスマージンのロスカット

Bybitでロスカットが執行されるにあたっては、「破産価格」という独自の指標に基づいて行われます。

破産価格とは、計算上証拠金が0になる価格のことです。

破産価格は取引の種類やポジション(売り/買い)によって異なる点を留意しておきましょう

インバース無期限契約における破産価格
ロング(買い)ポジション
破産価格=1.00075×契約数/{(平均購入価格/契約数)+(口座残高-注文証拠金)}

ショート(売り)ポジション
破産価格=0.99925×契約数{(平均購入価格/契約数)+(口座残高-注文証拠金)}

Bybit (バイビット) の分離マージン

分離マージンの概要

分離マージンとは、口座に入っている資金と証拠金を分けて管理する方法です

ポジションを持つ際に証拠金を自分で調節できるため、クロスマージンのように口座に資金が勝手に追加されません。

一方でクロスマージンに比べてロスカットに遭いやすくなります。クロスマージンより証拠金が少額になることでロスカットまでの猶予が小さくなるからです。

ただし仮にロスカットが執行されたとしても証拠金以上の金額を失うことはないためリスク管理がしやすい点がメリットとなるでしょう。

分離マージンの必要証拠金と維持証拠金の計算方法

分離マージンの必要証拠金は設定したレバレッジの大きさをもとに算出します。

必要証拠金=契約数量×購入価格/レバレッジ

維持証拠金率についてはクロスマージンと同じ方法で算出できます。

維持証拠金=ポジション価格×維持証拠金率

分離マージンの実行レバレッジの計算方法

分離マージンにおける実効レバレッジは「マーク価格」をもとに算出します。

マーク価格とは、ロスカット執行時の清算価格を算出するための指標のことです

マーク価格=インデックス価格×(1+資金調達ベーシス)
実効レバレッジ=マーク価格/(マーク価格-破産価格)

なおインデックス価格とは、他の取引所を参考にした価格のことで、流動性のリスクにより不要なロスカットを防ぐための指標となります

分離マージンのROIの計算方法

未実現損益はクロスマージン、分離マージンともに同一の方法で算出可能です

未実現損益率=(未実現損益/ポジション証拠金)×100
未実現損益=契約数×(1/購入価格-1/決済価格)
ポジション証拠金=必要証拠金+決済手数料
必要証拠金=ポジション価格/レバレッジ

分離マージンのロスカット

分離マージンのロスカットも破産価格をもとに算出します。この場合もクロスマージン同様、取引の種類やポジションによって算出方法が異なります。

USDT無期限契約における破産価格
ロング(買い)ポジション
破産価格=購入価格×(1-必要証拠金率)

ショート(売り)ポジション
破産価格=購入価格×(1+必要証拠金率)

インバース無期限契約における破産価格
ロング(買い)ポジション
破産価格=購入価格×レバレッジ/レバレッジ+1

ショート(売り)ポジション
破産価格=購入価格×レバレッジ/レバレッジ-1

Bybit (バイビット) のマージン設定方法

マージンの設定はBybitの取引画面でかんたんにできます

初期設定ではクロスマージンとなっているため、分離マージンにしたいときだけ設定すると良いでしょう。

Bybit マージン設定画面

こちらはインバース無期限契約の取引画面です。画像の矢印の部分が注文画面です。

Bybit マージン設定
注文画面左上の「分離」をクリックすれば分離マージンに切り替わります。なおUSDT無期限契約の取引画面でも操作は同じです。

Bybit (バイビット) のマージンまとめ

マージンとは証拠金を指す言葉で、ロスカットと強く関係し、Bybitではロスカットのリスクの管理方法として次の2つの手段を用意しています

  • クロスマージン
  • 分離マージン

仮想通貨取引に慣れていないうちはロスカットまでの猶予があり、証拠金調整の必要もないクロスマージンが向いているでしょう。

トレードに慣れてきて動かす資金も大きくなったら分離マージンにしてリスクヘッジをするのも一つの手段です。

クロスマージンと分離マージンでは証拠金や未実現損益、実効レバレッジ、破産価格などの算出方法が変わるため気をつけておきましょう。Bybitの取引のシステムを理解した上で、自分に合った取引をすることが大切です。