グローバルなシンガポールの仮想通貨取引所Phemexは、FTXを取り巻く出来事を受け、2022年11月中旬に、取引所とユーザーの資金の両方においてFTXとFTT、Alameda Researchへのエクスポージャーがなかったことを発表しました。
さらに同取引所は、予定より早くハッシュ木 (マークルツリー) のProof of Reservesの公開を提供するという公約を守っています。Phemexのアプローチは、他の取引所とは対照的に、資金が実際に積立金の中で安全であることをユーザー自身で確認することが可能です。
コールドウォレットのアドレスをウェブサイトで紹介するだけのものと違い、Phemexのプロセスは第三者の監査人に頼るのではなく、コード上に構築されています。
Phemex (フェメックス) のプルーフ・オブ・リザーブ (PoR) とは?
Phemexのユニークなアプローチにより、ユーザーはダッシュボード全体を操作し、ユーザーのハッシュ化された顧客IDを組み合わせたプルーフ・オブ・リザーブ制度を利用することができます。
この取引所は、ビットコイン (BTC) と、イーサリアム (ETH) 、テザー (USDT) 、USDコイン (USDC) 、ドルを含む主要5通貨のユーザー資産にインデックス残高を提供する初めての機会を得ました。 近い将来、さらに多くのトークン残高を追加していくと考えて良いでしょう。
最初のトークン残高を確認した後、ユーザーはハッシュ木 (マークルツリー) の証明書を確認し、自分の資産がシステム内に記録されていることを確認することができます。
Phemex (フェメックス) は支払能力についても証明済み
取引所がマークルツリーを公開する必要性以上に、過去数週間にわたって長く議論されてきたことの1つは、支払能力の証明も提供することです (Phemexも5つのトークンの資産と負債をすべての人に提供しています) 。これらには、ユーザーが現在プラットフォーム上で保有している5つの資産の合計残高を提供する債務データをダウンロードすることで、簡単にアクセスすることができます。
Phemexは、企業としての負債がないことを何度も明言しており、Phemexの資産が実際に負債をカバーしていることを定期的に確認するようユーザーに勧めているということです。また、コールドウォレットのアドレスの一部を公開しており、積立証明のページでアクセスすることができます。
最近、この業界で起こった出来事により、仮想通貨コミュニティは中央集権的な取引所に関して不安を抱くようになりました。多くの人が知らないうちに、取引所のボラティリティと全体の取引量は以前から減少しており、1月の841億ドルから10月には544億ドルまで減少しました。
FTXの破綻はこのプロセスをさらに加速させ、機関投資家やユーザー、マーケットメーカーが信頼する取引所からの回答を待っている間に、大量の資金が流出しました。Phemexも無傷ではいられず、運用資産の大幅な流出と取引量の大幅な減少を余儀なくされました。他の多くの取引所と同様、積立金証明と支払能力を共有し、透明性を高めることで信頼を浸透させ、それによってユーザーと運用資産の回復が期待されています。
Phemex (フェメックス) の今後
2019年にわずか3つのコントラクトペアでスタートしたPhemexは、取引所市場において重要な地位を着実に獲得していますが、その運用資産は他の多くの取引所と比較すると少ないと思われるかもしれません。しかし、Phemexの基盤であるデリバティブ取引によるリスク管理や戦略を理解するようになると、最近より重視されてきた伝統的な現物取引と対比してデリバティブ取引は全体的な成長モデルや運用資産に制約を生じさせたものの、リスク管理をより適切に行うことができるようにさせるものであったことを理解できるかと思います。
また今回の騒動は、結果としてコア・コミュニティを全体として強化したという見方もあるようです。今後これらの業界標準の基礎を作るために、取引所間の協力に加えて、より透明性が必要であるということに疑いの余地はありません。Phemexはユニークな視点を持ち、変革の一翼を担うリーダーとなる可能性がありそうです。