- XMでは両建ては禁止されていない
- ただし、禁止されている両建て行為もある
- XMで両建てするメリットは複数
両建てとは、損益額を固定できる取引手法です。
しかし、XMでは両建てに関しての禁止事項が複数あります。ゼロカットを悪用した不正な取引を行い、XMの運営に悪質な違反行為と判断されると、出金停止や口座凍結をされてしまうことがあります。
本記事では、XMでの両建てについてメリットや禁止事項について紹介していきます。
目次
- 両建てとは
- XM (エックスエム) で許可されている両建て取引
- XM (エックスエム) で禁止されている両建て行為
- XM (エックスエム) で禁止されている両建てはバレる?
- 意図せず禁止されている両建て行為になっていた場合どうすればいいのか
- XM (エックスエム) で両建てをするメリット
- XM (エックスエム) で両建てを行うときの注意点
- XM (エックスエム) で両建て注文する方法
- XM (エックスエム) の両建て解除について
- XM (エックスエム) の両建てがおすすめなタイミング
- XM (エックスエム) 以外に両建てできる業者一覧
- XM (エックスエム) の両建てに関するFAQ
- XM (エックスエム) の両建てに関するまとめ
両建てとは
両建ての概要
両建てとは、1つの通貨ペアにおいて同じ数量の「買い」と「売り」のポジションを同時に持つことをいいます。
そのため両建てでは相場が変動したとしても、利益と損失が相殺されることで損益の幅が固定されます。
両建てには高度な分析力が必要となる
両建てには損益の幅を固定できるというメリットがあります。
しかし、そのメリットを活かすためには、両建ての仕組みを正しく理解していることと、チャートを正しく分析することが重要になってくるでしょう。
例えば、保有しているポジションで損失が拡大している場合、両建てを行うことで損失額を固定できるので、さらなる損失の拡大を防げます。
逆に保有しているポジションで利益が出ているときにも、両建てを活用することで利益額の固定ができるので両建ては有効です。
しかし、両建ては決済のタイミングを判断することが大変難しいです。
XMでは両建て中に必要証拠金は発生しませんが、片方のポジションを決済してしまうと残りのポジションに対して必要証拠金が発生してしまうため、強制ロスカットが発生することもあります。
また同じ通貨ペア同士で両建てを行う場合、ポジション保有中に発生するスワップポイントはマイナスになる仕組みのため、両建て中でも強制ロスカットの危険があります。
XM (エックスエム) で許可されている両建て取引
XMでは同一口座内の両建てが認められています。
同じ通貨ペアを両建てすることで、抱えている含み損や含み益を固定させて、一時的に相場の様子見を行うことができます。
ただし同一口座内であっても、経済指標発表時にゼロカットシステムを悪用したハイレバレッジな両建てを行うことは、違反行為に抵触する可能性があります。違反行為とXMから認定された場合は「利益取り消し」「出金拒否」「口座凍結」などのペナルティを受ける可能性があるので注意しましょう。
参考 カテゴリー別よくある質問XMTrading
XM (エックスエム) で禁止されている両建て行為
XMで禁止されている両建て行為は以下の7種類です。
- 複数口座間での両建て
- 複数業者間での両建て
- グループ内での両建て
- アービトラージ (裁定取引)
- 特定の通貨をヘッジする両建て
- 経済指標発表時などのハイレバレッジトレード
- XMポイントを貯めるためだけに行う両建て
以下、各禁止行為について詳しく見ていきます。
複数口座間での両建て
複数口座間での両建ては、XMが採用しているゼロカットシステムの悪用にあたるため禁止されています。複数口座間で両建てを行うと、片方のポジションでは利益が発生し、片方のポジションでは損失が発生します。
この状態で損失が残高分を超えるとゼロカットが発生し、残高以上の損失はXMが負担することになります。
一方、トレーダーは利益が出ているポジションを決済することで、残高分の損失だけで利益を上げることができてしまうのです。
複数業者間での両建て
複数業者間での両建ても禁止されています。理由は複数口座での両建てと同じく、XMのゼロカットシステムを悪用しているためです。
別の業者間であっても、損失が残高以上になった場合ゼロカットシステムは発生することに変わりはなく、意図的にゼロカットを引き起こしていると考えられてしまいます。
また、他のFX業者でも他業者との両建てを禁止していることがあるので注意が必要です。
グループ内での両建て
グループ内での両建て行為も禁止されています。
XM内の口座であったとしても、友人間やオンラインサロン内などのグループ内で示し合わせて行われた両建ては複数口座を使った両建てと変わりません。
そのため意図的にゼロカットを引き起こし、ゼロカットシステムの悪用ができてしまうため禁止されています。
アービトラージ (裁定取引)
アービトラージとは、複数業者間で同じ銘柄の買いと売りの両ポジションを保有してリスクを下げた状態で、業者間での利益率の差などを利用して利益を上げる取引のことをいいます。
アービトラージは複数業者間での両建て取引にあたるので、XMでは禁止されています。
アービトラージと知らずに取引をしてしまった場合でも、XMに禁止行為だと判断されると口座凍結になる場合もあるので注意が必要です。
特定の通貨をヘッジする両建て
正確には両建てとはいえないですが、似たような相場の動きをする通貨ペアを使い、両建てと同様に買いと売りの両ポジションを保有することは禁止されています。
この場合もゼロカットシステムを悪用して利益を上げようとしているとXMに判断されてしまうと、口座凍結のリスクがあります。
経済指標発表時などのハイレバレッジトレード
実際には経済指標発表時など、相場の急変が予想される場合のハイレバレッジでのトレードは禁止されていません。
しかしこのようなタイミングでハイレバレッジでのトレードを何度も行っており、ゼロカットシステムを悪用しているとXMに判断されてしまうと、口座凍結されるリスクがあるので注意が必要です。
XMポイントを貯めるためだけに行う両建て
XMポイントを付与される条件として、10分以上のポジションを保有と往復取引を行うこととありますが、両建てを行うことでこの2つの条件はクリアできます。
しかしポイント目的での両建ては禁止されているので注意が必要です。
XM (エックスエム) で禁止されている両建てはバレる?
XM内の口座を複数利用しての両建ては容易にバレてしまいます。また他業者間の口座を利用した両建てに関しても同様です。
なぜならXMで採用されているMT4は、採用している全業者の取引履歴が管理されており、取引履歴はXMも把握できるようになっているからです。
XMだけでなく、MT4を採用している業者間での両建ては取引履歴から容易にバレてしまいます。
発覚すると重いペナルティが課せられる
禁止されていた両建て取引が発覚した場合、禁止行為に該当する両建てで得た利益の取り消しと一時的な出金拒否が行われます。
またゼロカットを悪用した両建ての場合、ゼロカット時に発生したXMの損失負担分が口座残高から引かれることもあるので注意が必要です。
そして、悪質な規約違反と判断された場合口座凍結されることもあります。
口座凍結されてしまうと、資金の出金ができなかったり、口座内のボーナスとXMポイントすべてが失効されたりと、大変重いペナルティが課せられてしまうので注意が必要です。
意図せず禁止されている両建て行為になっていた場合どうすればいいのか
意図せずに禁止されている両建てをしてしまった場合は、速やかにポジションを解消しましょう。
XMのアカウント内で複数の口座を運用していたり、XM以外のFX業者の口座も同時に運用している方も多くいらっしゃると思います。それぞれの口座で異なる手法やEAを運用していると、意図せずに禁止事項の両建てを行なっていることがあるかもしれません。
もし上記の行為をXMが規約違反とみなした場合には、運営側から注意喚起のメールが届きます。その際はメールの内容に従って、素直に両建てのポジションを解消すればトラブルになることはありません。またメールが届かなくても、禁止事項の両建てをしていると気づいた際には、速やかにどちらかのポジションを解消するようにしましょう。
XM (エックスエム) で両建てをするメリット
証拠金が0になりロスカットされづらくなる
XMでは、同一口座内で同じロット数の両建てを行なった場合、ポジションの必要証拠金は0になります。
FX業者の中には両建てを行った際でも、片方もしくは両方のポジションに証拠金が必要になる場合があります。一方、XMで両建てをする際は、ポジションの枚数の差分にしか証拠金がかからない仕組みになっています。
XMの必要証拠金の仕組み | ||
買いのロット数 | 売りのロット数 | 必要証拠金 |
10ロット | 10ロット | 0ロット分 |
10ロット | 5ロット | 5ロット分 |
例えば、同一通貨ペアを10ロットの買いと10ロットの売りで両建てした際の必要証拠金は0です。同一通貨ペアを10ロットの買いと5ロットの売りで両建てした際の必要証拠金は5ロット分になります。
長期取引と短期取引を同時進行できる
XMでの両建ては、長期取引と短期取引とで同時進行できます。
すでに保有しているポジションに対して、後から同じ数量の通貨ペアのポジションを保有することで、両建てを行えるからです。
これにより、数日ポジションを保有するスイングトレードと1日でエントリーから決済までを行うデイトレードの様に、ポジションの保有時間が異なる取引においても両建てを行えます。
選択肢が増える
保有しているポジションで利益が拡大している場合、ポジションを決済し利益確定するか、保有し続け利益のさらなる拡大を狙っていくか判断に困る状況が多々あると思います。
このような状況で両建てを行うことで利益額を固定したままポジションを保有できます。
今以上の利益が見込めない場合は、すべてのポジションを決済し固定していた利益額を受け取り、利益が拡大しているのであれば反対注文のポジションのみを決済して利益を拡大していくといったように、両建てを行うことで為替の動きに対しての選択肢を増やせます。
XMポイントを効率よく貯められる
XMで両建てを行うメリットとして、XMポイントを効率よく貯められることも挙げられます。
XMポイントは取引を行うだけで獲得ができますが、「10分以上のポジション保有」と「エントリーと決済の往復取引」が付与の条件となります。
両建ての場合この両方の条件を満たすため、両建てを行うだけでXMポイントを獲得できます。
XM (エックスエム) で両建てを行うときの注意点
両方のポジションを決済する場合は同時決済が必要
両建てしているポジションを両方決済したい場合は、同時決済をするように心がけましょう。両建てをしているポジションを同時に決済することを両建て解除といいます。
仮に個別に決済してしまうと、時間差で片方の含み益が減少したり、含み損が拡大してしまう可能性があります。また、両建て解除による同時決済を行うことによって買い売りどちらかのスプレッドコストを削減することができます。
片方のポジションのみを決済する場合は証拠金維持率に注意が必要
両建ての片方のポジションのみを決済する場合は、証拠金維持率の低下に注意しましょう。
両建てしている際は、ポジションの枚数の差分にしか証拠金がかからないので、証拠金維持率を高く保つことができます。
しかし両建てしているポジションの片方を決済する際は、継続して保有するポジション分の証拠金が必要になります。その際、証拠金維持率が急に低下することになるので、含み損を抱えているような場合にはロスカットになってしまわないように注意しなければなりません。
スワップポイント狙いには向かない
ポジションを長期保有することによって付与されるスワップポイントを狙っての取引ですが、XMでの両建て取引には不向きです。
なぜならXMでは主要通貨ペアでポジションを付与されるスワップポイントが国内業者に比べ低く設定されているからです。
また同一通貨ペア同士で両建てを行っても、付与されるスワップポイントはマイナスになってしまうので、両建てはスワップポイント目当ての取引には向いていません。
きちんと規約や禁止行為を把握しておく
XMでは両建てを認めているからといってすべての両建て行為を認めているわけではないので注意が必要です。
XMで認められているのは、同一口座内での両建てのみです。
- 複数口座での両建て
- 他業者間での両建て
- グループでの両建て
- 複数業者間での裁定取引
上記のどれかを行ってしまうと、出金拒否や口座凍結になってしまう場合があるので注意が必要です。
両建てよりもまずは損切りを覚えた方が良い
両建てにより損益額を固定できることは、大きなメリットです。しかし両建てによって相場の様子見を行ったとしても、決済判断のタイミングを見極められなければ意味がありません。
損失が拡大したからといってむやみに両建てを行うよりも、損切りのタイミングを正しく判断し、必要以上に損失を拡大させないことが取引においては重要です。
XM (エックスエム) で両建て注文する方法
XMで両建てをする方法は簡単です。
普段と同様の取引手順で、同じ通貨ペアの買いと売りの両方でエントリーすることで、両建てが完了します。すでに片方のポジションを保有している際は、同じ通貨ペアで反対のポジションを持つことで両建てが完了します。
例えば、現在ドル円で5ロットの買いポジションを持っている場合は、同一口座内で新たにドル円で売りポジションを取ることで、両建てが成立します。
XM (エックスエム) の両建て解除について
両建て解除とは
両建て解除とはFXの取引ツールであるMT4とMT5の機能の1つで、同じ通貨ペアの両建てポジションを同時に決済することをいいます。
両建て解除を行うことで片方のポジションのスプレッドをなくせるため結果的に節約にもなります。
しかし、両建てポジションを1つずつ決済してしまうと両建て解除は成立しないので、必ず同時決済をしなければならない点には注意が必要です。
両建て解除のやり方
PC版
PCでの両建て解除方法は、まず両建て解除を行いたいポジションを右クリックして「注文の変更または取り消し」を選択します。
次に注文ウィンドウの「タイプ」から「閉じる」を選択し、両建ての反対側のポジションを選択することで両建て解除が行えます。
MT4とMT5のバージョンによっては、注文種別に「両建て解除」があるのでそれを選択するだけで両建てが解除できます。
スマホアプリ版
スマホアプリ版での両建て解除の方法もほとんど変わらないのですが、こちらの方が簡単に行えます。両建て解除を行いたいポジションを長押しすることでメニューが開くので、両建て解除の項目をタップするだけで両建ては解除できます。
XM (エックスエム) の両建てがおすすめなタイミング
相場が急変動するとき
経済指標の発表などのトレンド要因によって為替相場が急変動を起こすことが予想される場合、両建て取引を行うタイミングとしては良いでしょう。
両建てにより損益額を固定した状態で、経済指標の発表を迎え為替相場の動きを確認します。
利益が出るのであれば反対側のポジションのみを決済して利益の拡大を狙い、損失が拡大しているのであれば損切りを行うなど、状況により決済の判断を行えるからです。
うねり取り
うねり取りとは、買いのポジションと売りのポジションの保有している割合を変化させていくことで利益を上げる方法です。
このうねり取りを行う際も両建てはおすすめです。
なぜなら両建てによってその都度損益を固定しながら、利益が上がりそうなタイミングでのみポジションの保有割合を変化させることで、利益を上げることができるからです。
重要な経済指標が発表されるとき
重要な経済指標が発表される際は、相場が大きく変動することがあります。
その際に取れる両建て手法が2つあります。
すでに保有しているポジションの含み益や含み損を一定に保つために、逆方向に同数のポジションを持って両建てする。
経済指標発表前に両建てでポジションを持ち、経済指標発表後に急激に動いた方向のポジションのみの利益を伸ばして、反対のポジションを損切りする。
ただし、2つ目の手法はXMの規約違反になる危険性があるので注意しましょう。
ロスカットを回避したいとき
XMでは証拠金維持率が20%を下回った時点で、ロスカットが発生します。
保有しているポジションが含み損を抱えて、ロスカットを受けそうになっている際にも両建てを活用することができます。
XMで同じ数量のポジションを両建てした場合は必要証拠金が0になり、証拠金維持率を回復させて、ロスカットを回避することができます。ただし、両建てを使ってロスカットを回避することは応急処置的な投資手法であり、健全とは言えません。
XM (エックスエム) 以外に両建てできる業者一覧
両建て可能な海外FX業者一覧 | |||
業者名 | 同一口座内 | 複数口座 | 複数業者間 |
XM | ○ | × | × |
AXIORY | ○ | ○ | ○ |
TitanFX | ○ | × | × |
Tradeview | ○ | ○ | ○ |
GENFOREX | ○ | × | × |
iFOREX | ○ | × | × |
HotForex | ○ | × | × |
FBS | ○ | × | × |
TradersTrust | ○ | ○ | ○ |
LandFX | ○ | × | × |
海外FX業者では、XM以外にも同一口座内の両建ては基本的に認めている業者が多いです。
また、AXIORYやTradeview、TradersTrustなどは複数口座間、複数業者間での両建てを認めています。
複数業者間での両建てを認めている業者であっても、もう一方の業者で両建てが禁止されている場合は、当然ながら両建ては禁止行為に当たるので注意してください。
例えば、AXIORYの口座とXMの口座で両建てを行おうとしても、XM側が禁止しているので、禁止行為に当たります。
複数口座間や複数業者間の両建てを行う際は、それぞれの業者の禁止事項を把握した上で行うようにしましょう。
XM (エックスエム) の両建てに関するFAQ
XM (エックスエム) で両建てするとロスカットされないのですか?
ロスカットされません。
XMでは両建てしたポジションの枚数が同じであれば、必要証拠金が0になります。これはポジションを持っていないのと同じ状態になるので、ロスカットを避けることができます。
XM (エックスエム) で禁止されている両建てはすぐバレますか?
はい。
MT4は多くのFX業者の取引情報を一括で管理しています。よって、禁止されている両建てを行なった際は、XMはMT4経由で両建ての存在を確認することができます。
XM (エックスエム) でEAと両建ては同時に利用可能ですか?
はい。
XMではEAと両建てを同時に利用することができます。
XM (エックスエム) の両建てに関するまとめ
両建ては決済のタイミングの判断やチャートの分析が必要になってくるため難しい取引方法です。
また両建てに関しての禁止事項も多く正しく理解していないと、出金停止や最悪の場合口座凍結のリスクもあるので注意が必要です。
しかし両建てをうまく活用できれば、損益額を固定しながら相場を観察し、その後の選択肢を増やせるため、大変有効な取引方法です。
XMで口座を開設して、両建てに挑戦してみてはいかがでしょうか。